コレステロールの存在
コレステロールの存在自体は18世紀後半には知られていたが、20世紀に入るまでその構造は長い間不明であった。1927年に
コレステロールのステロイド骨格が4つの環構造6, 6, 6, 5員環がつながっているものであると決定したのはオットー・デ
ィールスである。彼はセレンを使った脱水素反応を利用した炭化水素の構造に関する系統的な研究を行っている。すなわち
構造が未知の炭化水素を脱水素して二重結合を生成したり骨格を切断したりして既知の炭化水素に導き、元の炭化水素の構
造を推定して行くのである。ステロイド骨格もその一環でディールスの炭化水素と呼ばれる化学式C16H18の炭化水素から現
在の立体配置を除くステロイド骨格の構造を決定した。この方法では構造変換の過程で立体構造に関する手がかりが失われ
るため、コレステロールの立体構造は解明されないままであった。
1930年代はステロイドホルモンの単離と構造決定が相次いで研究された。この段階ではディールスの研究では立体構造が不
明なため、これらのステロイドホルモンの構造はコレステロールを化学的に構造変換してステロイドホルモンへ変換しそれ
によって立体構造を決定している。
立体構造を最終的に決定したのはE・J・コーリーである。彼の天然物合成の研究方法に基づき、ほとんど立体構造がわから
ない状態から天然物の生成経路ならびに中間体の立体配座と反応機構からステロイド骨格の生成反応が立体特異的に進行す
ることを見出した。
コーリーの見つけ出したステロイド骨格(ラノステロール)の構築反応は、生体内で生じる生化学反応のなかでも非常にエ
レガントなもののひとつである。メバロン酸経路やゲラニルリン酸経路を経て生合成されるスクアレンの2,3-位が酵素的に
エポキシ化されると、逐次閉環反応が進行するのではなく、一気にラノステロールが生成する。酵素によりエポキシ酸素が
プロトネーションされるのをきっかけに、4つの二重結合のπ電子がドミノ倒しのように倒れこんでσ結合となりステロイ
ドのA, B, C, D環が一度に形成される。それだけでなく、ステロイドの20位炭素上に発生したカルボカチオンを埋めるよう
に、2つの水素(ヒドリド)とメチル基がそれぞれステロイド環平面を横切ることなく1つずつ隣りの炭素に転位することで
、熱力学的安定配座となりラノステロールが生成する。
他の生物種では同じスクアレンエポキシダーゼによりスクアレン 2,3-エポキシドからテルペノイドであるβ-アミリンを生
成する生合成経路も知られているので、このステロイド構築反応はスクアレンエポキシダーゼ固有の反応というわけではな
い。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
先日母が健康診断をうけましてコレステロール過多で「メタボ」認定だそうです。
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